[コラム]最新ベンチャー企業の出店戦略?
ミナト・アドヴェンチャー株式会社
代表取締役 川村 崇
弊社の経験上、専門店ビジネスにおいて、サービス・商品力はもちろんではありますが、「20店舗を超えてもなおスピード展開ができている企業」と「5店舗程度で止まってしまう企業」の大きな違いは、ズバリ立地選定スキルにあります。一から事業を立ち上げ、単一エリア(同一県等)で2~3店流行り、売上が好調である時はいいのですが、社長のカンで新規出店を大きな投資でおこない、うまくいかないこともあります。そうなってしまうと「次はどうしていいかわからない」ということになってしまい財務状況の急激な悪化や経営意欲が衰退してしまう場合があります。
それを解決するためには、企業スタートアップ時から商圏や立地選定についての理論武装をできるだけおこない、出店基準を明確にし、自信を持って店舗オープンまですすめることが肝要です。そのための足掛かりとして、まずは出店立地の4パターンを把握し、いわゆる出店足切りラインを明確化することです。
本日はその前提として、最新の店舗ビジネスにおける出店戦略の重要性から説明致します。
————————————————————————
・ベンチャー企業の出店戦略の重要性
————————————————————————
昨今の店舗ビジネスにおける環境状況はとても厳しく、店舗ビジネスのライフサイクルの短命化も著しく進行しています。そんな中でも、
きちんと強みを打ち出した企業は安定成長を続け、そうではない企業はほぼ例外なく短命です。もちろん新規オープンしたから売れるといった
「オープン景気」なんかは国内の市場ではもうすっかり昔の話です。
例えばITを用いたサービスが浸透した現在でも店舗ビジネスはなくならず、「ショールーム機能」「演出機能」「体験機能」といった役割が
ベンチャー企業でも必須になっています。ベンチャー企業における出店戦略は、店舗ビジネスを考えるうえでは生命線であり、「どの順番で出すか?」
「どこに出すか?」「どれだけ出すか?」を決めていくことが重要です。
一般論では、店舗ビジネスは立地が8割の影響を占めるというような言われ方をしますが、概ね適切な表現だとは思います。ただし、重要なのは、
店舗経営力の根幹は、「立地力」「業態・販売力」の2要素がバランスよく整っていることです。ここで言いたいことは、せっかくいい企画(業態)でも
立地選定(SC等のインテナント出店も同様です)を誤ればせっかくの店舗が死んでしまうということです。